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株/投資/ヘッジファンド/きまぐれぽんた

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YAHOOが買収される!



ソフトウエア最大手の米マイクロソフトによるインターネット検索大手、
米ヤフーへの買収提案をめぐり、2日付の米ウォール・ストリート・
ジャーナル紙(電子版)は、マイクロソフトは提案が拒否された場合、
敵対的な株式公開買い付け(TOB)に踏み切る方針だと報じた。
ヤフーは、敵対的な買収者が現れた場合、新株を発行して持ち株
比率を下げるポイズン・ピル(毒薬条項)もすでに導入している。
マイクロソフトがTOBに踏み切った場合、発動の有無も焦点となりそうだ。
マイクロソフトは、ヤフー株1株あたり31ドルと、1月31日時点の終値
よりも62%も上乗せした破格の好条件を提示している。

ヤフーが別の提携先探しを検討しているとも同時に伝えているのだが、
真相はわからない。一方、マイクロソフトの対抗馬としては、米
インターネットオークション最大手のイーベイや、米インターネット接続
サービス最大手のアメリカ・オンライン(AOL)、米メディア・娯楽大手
ニューズ・コーポレーション、米通信大手AT&Tなどの名前が挙がって
いるといい、米IT(情報技術)産業を巻き込んだ争奪戦に発展する可能性も
ある。

米マイクロソフト(MS)が米ヤフーに446億ドル(約4兆7500億円)の
巨額買収を提案したのは、インターネット広告で覇権を握るグーグル
への対抗が最大の狙いだ。今年引退するビル・ゲイツ会長(52)に
とって最後の大勝負となる。 「インターネット広告は1社独占状態に
なっている。MSとヤフーは(合併で)強力な選択肢を提供できる」、
「ネットの利用者、広告主、サービス内容の提供者それぞれについて、
一定の規模を確保できるようになる」と説明し、事業の規模を拡大して、
インターネット検索最大手の米グーグルに対抗する意向を強調したのは、
MSのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)。

パソコン用のOS(基本ソフト)「ウィンドウズ」で支配的なシェアを握り、
数々の独禁法訴訟と戦ってきたMSだが、ネット市場での現在の立場の
違いを浮き彫りにした。グーグルの共同創業者のラリー・ペイジ氏と
セルゲイ・ブリン氏はともに34歳。MSのゲイツ氏やバルマー氏とは
親子ほども離れた世代の新興企業だが、いまや検索連動広告という
急拡大中の市場で、圧倒的なシェアを握り、高収益を上げている。また、
ワープロや表計算ソフトなど、マイクロソフトの収益源であるワードや
エクセルと互換性のあるソフトをインターネット上で無料で提供している
のは、ご存知だろうか?こうして、MSの切り崩しを図るなど、目の上の
コブのような存在になりつつある。MSも広告で稼ぐビジネスモデルへの
転換を宣言しているが、伸び悩んでいるのが実情。グーグルの独占を
阻止するには、検索シェア2位のヤフーを取り込むしか選択肢がなかった。

一方、米ヤフーはこれまで何度か証券会社を通じたMSからの買収
提案を断ってきたが、グーグルの攻勢で検索市場のシェアを落として
業績が悪化し、株価も下落。経営トップの交代や1000人のリストラを
発表するなど厳しい状況に陥っている。一方、米下院司法委員会は1日、
この買収提案に関する公聴会を8日に開くと発表した。

気になるのは日本のヤフーへの影響、そして同社の筆頭株主である
ソフトバンクの孫正義社長の動向だ。ただ、日本からみるとヤフーの不振と
言われてもピンと来ない。これは日本でヤフーが独自の地位を築いている
ためだろう。資本上も、ソフトバンクが41%を保有する筆頭株主で、米
ヤフーの出資比率は33%超と第2位にとどまっている。日本の検索
市場でもグーグルをしのいでヤフーがトップを維持、米ヤフーはオークション
事業から撤退しているが、日本では大きな収益の柱となるなど、幅広い
年齢層に受け入れられているという意味では、グーグルの台頭以上に、
ヤフーの不振といわれてもあまり響いてこない。経営戦略上も独立色が
強いため、MSの米ヤフー買収が成功した場合も、日本のヤフー
ユーザーに不都合が出る可能性は高くなさそうだ。 スティーブ・バルマー
最高経営責任者(CEO)は、米ヤフーが出資する日本のヤフーについて
「どんな変更もする必要はない」と述べ、買収に成功した場合も、当面は
現在の資本関係や業務面の協力を続ける方針を明らかにした。

そこで、買収が成功した暁には、旧知の仲であるゲイツ氏と孫氏が共同
戦線を張ることも予想される。両氏にとってグーグルは共通の敵といえる
ためだ。主戦場は今後世界的に急拡大するとみられる携帯電話など
モバイル分野での広告市場だ。ここでもグーグルは手を打っており、
日本ではNTTドコモとKDDI(au)と提携済みで、ここでもソフトバンクは
蚊帳の外となっている。このままサービスが展開されると、NTTドコモと
KDDIが主力となってしまうのだ。一方、ソフトバンクのケータイはワンタッチ
ボタンからの接続など、ヤフーのサービスと密接に連携しており、MSも
「ウィンドウズ・モバイル」というモバイル端末用ソフトの事業を展開している。
MSとヤフー・ソフトバンクが手を組めば、モバイル広告分野でもグーグルの
対抗軸となる可能性があるうえ、ソフトバンクとしても、世界市場に打って
出るチャンスとなる。ただ、欧米の独禁法当局が買収に待ったをかけ、
本格審査に乗り出す可能性を指摘する専門家もおり、交渉の行方が注目
される。



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